>>かおりちゃんの信行日記


第6回 おばあちゃんと寒修行の巻

お正月も終わり、本格的に寒い季節がやってきました。
三学期が始まると、より一層寒く感じるのはかおりちゃんだけでしょうか?

「こら、かおり!いつまで布団の中にいるの!早く起きないと学校に遅れるわよ!」
お母さんの怒る声が台所から聞こえてきます。
かおりちゃんは目を覚ましてはいるのですが、寒すぎて布団から出られないのです。

「起きてるよ。もう少し暖まってからでるよ」
と独り言のように呟いても、時計の針はカチカチと進んでいきます。そうこうしているうちに、本当に布団からでないと学校に間に合わない時間になってしまいました。かおりちゃんは慌てて布団から飛び出し、急いでお洋服に着替えます。
大急ぎで台所に行くと、もうかおりちゃんの分の朝御飯が用意されていました。
「本当に冬になると起きないんだから……!」
とお母さんが呟いています。
それを聞いて「だって寒いんだもん」とかおりちゃんは心の中で呟きます。

「あれ?おばあちゃんは?」
いつもかおりちゃんの向かいに座って朝御飯を食べているおばあちゃんが今日はいません。
「おばあちゃんはお寺の寒修行に行ってるのよ」
「え〜っ!こんなに寒いのに?なんでこんな寒いときに【寒修行】って決めて朝参詣するの?」
かおりちゃんは食パンをかじりながらお母さんに聞きました。

「昔、日蓮聖人が佐渡島という何もない島に流されたことがあってね、そこは冬は日本海から冷たい風が吹いて雪に覆われてしまうぐらい厳しい所だったのよ。そんな寒い中でも日蓮聖人は、法華経を弘めるためのご奉公を続けられたの。その日蓮聖人のご苦労と御恩を忘れないようにってこの一番寒い時期に朝参詣をさせていただこうというのが【寒修行】なのよ」
「ふ〜ん。そういう理由だったら寒くないと駄目なんだ。でもこんなに寒かったらおばあちゃん、風邪ひいちゃうんじゃないの?」
「それなら大丈夫よ。おばあちゃん、寒修行に毎日お参りするのを目標にしてるのよ。だから毎年大きい病気もしないで元気でいられるのよ」
「寒修行にお参りすると病気にならないの?」
「心身共にお護りをいただくから病気にならないのよ。それに寒修行を頑張ったら、御宝前がご褒美にお願い事を叶えてくださるのよ」
「おばあちゃん、何か願い事あるの?」
そう聞いたかおりちゃんの顔を見て、お母さんがにっこり笑いました。
「おばあちゃんのお願い事はね、『一人でも多くの人が妙法の御題目にお出会いできて、お唱えできますように』というのと、『家族みんなで元気にお寺にお参りできますように』というものなのよ」

かおりちゃんは、白い息をはきながらお寺にお参りしているおばあちゃんの姿がふと目に浮かびました。おばあちゃんを少し見習って明日はもう少し早くおきようと思いました。

そして日曜日には頑張っておばあちゃんやお父さん、お母さんと一緒に寒修行にお参りをしようと思ったかおりちゃんでした。

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